鮮やか黄緑、不思議な野鳥「アオバト」 目立つから危険…それでも海に飛来する理由は? 静岡市…

2025/09/01 08:14 

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 夏の盛りが過ぎた頃、静岡市駿河区の海沿いで耳を澄ますと、「アーオ、アオ…」と子どもがリコーダーを吹くような声が山の上から聞こえてきた。夏から秋にかけて海水を飲みに飛来する不思議なハト「アオバト」の鳴き声だ。
 山から数羽が飛び立つと、周囲の安全を確かめるように上空で旋回を始めた。徐々に仲間が加わって50羽ほどの群れになり、海上でも弧を描くように飛び始めた。やがて海岸沖の消波ブロックに舞い降り、波に注意しながら海水を飲む様子が見られた。
 海上はアオバトにとって身を隠す場所のない危険な環境だ。時には上空からハヤブサに狙われたり、高い波が押し寄せたりする。それでも海水を飲みに来るのは、主食の木の実だけでは補えない塩分やミネラルを摂取するためとされるが、はっきりとは解明されていない。
 ハト科に属し、全長は約30センチ。雌雄ともに全身が青リンゴのような黄緑色で、雄は肩がブドウ色を帯びる。体色と独特の鳴き声が名前の由来とされる。春から夏に山地で繁殖する。
 
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