個性豊かな伊豆半島の民間仏 静岡・下田の美術館で企画展 「親しみやすい作品、楽しんで」

2025/09/03 09:39 

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 下田市の上原美術館で23日まで、企画展「伊豆 民間仏めぐり」が開かれている。伊豆半島の各地に伝来する素朴で個性的な32点が並ぶ。
 12市町の仏像などを展示している。南伊豆町石廊崎の正眼寺・般若堂に伝わる荼枳尼天(だきにてん)像は、漁港として栄えた当地で古くから信仰を集めてきた。キツネに乗る女神の姿が表現され、女神の目元に刻まれた笑いじわから上機嫌な様子が伝わってくる。
 下田市須原の薬師堂の地蔵菩薩(ぼさつ)像は高さ約20センチ。こけしを想起させる姿が愛らしい。同じ須原の薬師堂の誕生仏はさらに小さな約15センチで、小ぶりながら来館者の目を引いている。
 上席学芸員の田島整さん(55)は「仏像は古ければ良い、形が美しければ良いというものではない。個性が豊かで思わず頬が緩んでしまうような、親しみやすい作品を楽しんでほしい」と来館を呼びかける。
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