ピット見学やドライバーとの交流…カーレースの世界を特別体験 静岡のCSAトラベル、訪日客向…

2025/09/03 08:50 

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 宿泊、商業施設などを運営するCSAトラベル(静岡市)は、インバウンド(訪日客)向けの観光事業に乗り出す。自社グループのチームがカーレースに参戦する富士スピードウェイ(小山町)のツアー商品を企画し、プロが解説するレース観戦やドライバーとの交流、ピット見学などの体験を提供する。県内を周遊するメニューも組み合わせ、高級感のある特別な旅で富裕層を取り込む。
 8月中旬に開いた2泊3日の視察ツアーでは、欧米や中東を営業エリアとする国内旅行会社3社が参加した。JR三島駅から貸し切りタクシーで富士スピードウェイを訪れ、CSAが運営するチーム「富士山静岡レーシング」のピットなどを見学。女性レーサーによるKYOJO(キョージョ)カップを解説付きで観戦した後、レースを終えて駆け付けた細川由衣花選手との交流も楽しんだ。
 2日目は富士スピードウェイのコースを貸し切り、プロのレーサーが運転するレーシングカーに同乗した。直線距離が日本一長い富士スピードウェイのコースを最高時速230キロで駆け抜け、カーレースの世界を体感。その後、静岡市でクルーズ船の乗船や茶道体験などを満喫し、古民家を改修した宿泊施設「日本色」に泊まった。
 ツアー参加者からは「特別な体験ができた」と好評。中東や湾岸諸国で旅行業を展開するジェイ・リンクス(京都市)の金馬あゆみ代表取締役(46)は「中東でもモータースポーツのファンが増えている。観光の選択肢になりうる」と述べた。ツアー料金は4〜5人の参加で1人100万円程度と想定され、欧米やオーストラリアで訪日旅行を手配するBOJ(東京)の荻野千尋さん(42)も「コース貸し切りなどの特別感は富裕層に刺さる。価値があればお金に糸目を付けない」と語る。
 CSAトラベルは6月の旅行業登録を受けてツアーを企画し、今秋をめどに商品化する予定。小島孝仁社長は「チームの中に入ってレースを応援できるのは非日常の体験。ストーリー性をさらに高めて売り込んでいく」と話した。
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