FRBクック理事「解任は違法で無効」 トランプ米大統領を提訴

2025/08/29 00:12 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事は28日、自らを解任すると決めたトランプ米大統領を相手取り、首都ワシントンの裁判所に提訴した。解任は「違法かつ無効だ」と主張し、理事の職務を続けられるとの命令を出すよう裁判所に求めている。

 クック氏は訴状で、「トランプ大統領による解任の企ては、前代未聞の違法行為だ」と批判。「連邦準備法は、理事解任には『理由』が必要と明確に定めている。住宅ローン申請に関する根拠のない主張で解任することはできない」として、理事職の継続を求めた。

 解任前にクック氏から事情を聴くなど必要な手続きを取っていないことも問題視。FRBの政治的独立は金融政策を決めるうえで「極めて重要だ」とも訴え、解雇は不当と主張した。

 トランプ氏は25日、自らに近い連邦住宅金融局(FHFA)のビル・パルト局長が「クック氏は自らの住宅ローン申請で不正を働いた疑いがある」と指摘したことを根拠に、クック氏を解任すると発表した。

 ただ、連邦準備法は、職務怠慢や不正行為などの正当な理由がない限り、FRB理事の解任はできないと定めている。トランプ氏が指摘する不正疑惑は、クック氏の理事就任前のことでもあり、司法関係者からは「解任理由に当たらない」との見方が出ている。

 トランプ氏はFRBに早期の利下げを求めている。利下げに慎重なクック氏を解任し、自らの意向に従う人物を後任に送り込む考えとみられている。

 クック氏は2022年、バイデン前大統領の指名を受け、黒人女性として初めてFRB理事に就任した。任期は38年まで。【ワシントン大久保渉】

毎日新聞

国際

国際一覧>

注目の情報