「移民大国」豪州 31日に大規模反移民デモ計画 政府は強く批判

2025/08/29 16:12 

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 住民の約3割が国外生まれという「移民大国」のオーストラリアで31日、大規模な反移民デモが計画されている。交流サイト(SNS)上では参加を呼びかける投稿と共に移民に対するデマや中傷も相次いでおり、豪政府は28日、デモに対する異例の反対表明を行った。

 「オーストラリアのための行進」と名付けられたデモは、31日昼にシドニーやメルボルンなど主要都市での実施が予定されている。「大量移民」に抗議し、「国を取り戻す」とのスローガンを掲げ、SNSで広く参加を呼びかけている。

 主催者の詳細は不明だが、豪公共放送ABCは28日、関係者の一部が過去に白人至上主義や親ナチス的な投稿をしていたと報じた。一方、主催者側は「いかなる団体にも所属していない」との声明を出し、極右勢力とのつながりを否定している。

 ただ、ネット上ではデモ支持者による人種差別的な発言も目立ち、豪州在住の移民からは不安の声も上がっている。一方、デモへの批判の声も多く、カウンターデモの計画も浮上。地元メディアによると、一部の警察は「衝突の恐れがある」とし、大規模な警備体制を敷く方針を公表した。

 こうした中、バーク内相は28日、「全ての国民は安全で、歓迎されていると感じる権利を持っている」と強調した上で、「社会の結束を分断し、弱めようとする人々の居場所はない」と強く批判。政府としてデモに反対の立場を表明した。

 豪州では住宅不足や物価高が深刻化する中、反移民感情が高まりつつある。豪シンクタンク「ローウィー研究所」が6月に公表した世論調査によると、国民の53%が「移民流入は多すぎる」と回答し、前年より5ポイント増加した。

 豪政府の2024年の統計によると人口2719万人のうち、858万人が外国生まれで、出身国別の人数は多い順に、英国96万人▽インド92万人▽中国70万人――などとなっている。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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