機体に燃焼の痕跡なし、システム誤作動か ユナイテッド機緊急着陸

2025/09/15 10:33 

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 米ユナイテッド航空機が12日、関西国際空港に緊急着陸し、乗客5人が軽傷を負ったトラブルについて、運輸安全委員会の航空事故調査官は15日、機体を調査した結果、燃焼の痕跡がなかったことを明らかにした。飛行中に貨物室で出火したとの警告が表示されており、システムの誤作動の可能性があるとみて調査を続ける。

 関空に派遣された調査官2人が13日からパイロットや客室乗務員に状況を聞き取り、「警告灯が点灯した」と説明を受けた。14日に約1時間にわたって機体の貨物室や操縦室に入り、状況を確認した。

 高橋充・航空事故調査官は報道陣の取材に対し、「貨物室にすすなどは確認されず、燃焼の痕跡はなかった。誤作動の可能性を含めて調べる」と述べた。乗客が預けた荷物が燃えた跡も確認されていないという。

 関空での現地調査は15日に終了し、今後、回収したフライトレコーダー(飛行記録装置)とボイスレコーダー(音声記録装置)の解析を進める。

 同機は成田空港を出発してフィリピン・セブ島に向かう途中、貨物室から出火したとの警告が表示され、離陸から約1時間半後の12日午後7時10分ごろ関空に緊急着陸した。乗客乗員142人は着陸後、緊急脱出用のシューターを滑り降りて機外に出た。【中村宰和】

毎日新聞

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