能登半島地震、今も全国各地に避難者 孤立感解消へサポート
2024年元日に発生した能登半島地震。1年半以上が経過した今もふるさとに帰れず、関西で避難生活を続ける被災者は少なくない。避難先で孤立を深めないよう、大阪府内で支援を続ける団体がある。
◇精神ケア、生活再建サポートも
「テレビやYouTubeで輪島が映るとやっぱり帰りたいな」「今は府営住宅に住んでいるけど、住んでいた家を直して12月には帰る予定にしている」。7月末、大阪市内で開かれた被災者同士の交流会。石川県輪島市や珠洲市、七尾市などから避難し、現在は大阪市や寝屋川市、奈良県御所市などで暮らす高齢者から10代の学生まで約10人が、昼食やお菓子を食べながら思いを語り合った。
「帰りたいけど、通院もしているから帰ることを悩んでいる」。石川県七尾市から大阪市へ避難している向シズエさん(82)は地元へ戻ることに揺れ動く気持ちを打ち明けた。
開催したのは支援団体「まるっと西日本」(大阪市)。11年の東日本大震災で、孤立しがちな広域避難者同士が支え合おうと設立された。能登半島地震では、発生翌月の24年2月から関西への広域避難者を集め、情報交換する場を2カ月に1回程度開催してきた。7月で5回目だった。
代表世話人の古部真由美さん(52)は、今回の支援活動について「高齢者や子ども、障害を持った人など弱い立場にいる人たちは生活に関する相談先がはっきりせず、たらい回しとなり、孤立してしまう傾向がある。避難先に支援者がいないといけない」と強調する。
交流会の前には音楽鑑賞などのレクリエーションを行い、震災トラウマのケアにも取り組む。また、石川県生活再建支援課の職員も同席し、個別に相談に応じたり、住宅の再建に関する制度を説明したりしている。
◇各地に避難者、自治体協力不可欠
向さんたちのように広域避難を続ける人は全国各地に散らばっているのが現状だ。
石川県によると、全国の自治体が提供する公営住宅に、最大約700人の被災者が広域避難した。現在も27都道府県に174世帯313人がとどまっているという。府内には43世帯78人が避難している(9月1日時点)。
向さんは「地元の人や支援してくれる人たちと、笑いながら地元の話を直接会って話すことができてほっとする」と語る。
古部さんは広域避難者の支援には自治体の協力が不可欠とも説く。東日本大震災の際は大阪府が協力をしてくれたことで支援が可能となった。今回は石川県の協力があり、支援の手を差し伸べられている。
「支援は単にボランティアがやりたい気持ちだけではできない。自治体との協働が大事」と話している。【砂押健太】
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