ウェルカム静岡!「健診」旅ツアー、訪日客向け商品化へ 清水さくら病院が旅行会社と連携 ベト…

2025/10/15 09:13 

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 独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)清水さくら病院(静岡市清水区)が、外国人向け医療ツアーの商品化に取り組んでいる。旅行会社と連携して市内観光プランに健康診断を組み込み、同病院の医療リソースを地域活性化にもつなげる。2日にはベトナムの旅行会社「スタートラベル」の関係者が人間ドックを体験した。今後は受け入れに向けた課題やニーズの洗い出しを進める。
 同病院は昨年から、体験型観光コンテンツを創出する市の「感動体験のまち創造事業」に応募。清水港に多くの国際クルーズ船が寄港することも踏まえ、インバウンド(訪日客)誘致の可能性を探っていた。今回は同社から打診を受け、実現への視察と現地向けプロモーションビデオの撮影などを兼ねてファムティ・キム・ニュン最高経営責任者(CEO)らが胃カメラやMRIなどを受診した。
 ファムティCEOによると、ベトナムでは経済発展に伴い健康志向が向上し、「社会的責任が重い経営者らを中心に、自身や家族の健康診断を重視するようになってきた」。これまでは近隣のタイやシンガポールでの受診が多かったが、医療水準が高い日本へのプランは高所得層の需要が見込める上、静岡は「富士山などの景勝地が多く、(ベトナムからの直航便が到着する)成田空港などからのアクセスもいい。旅行商品として魅力がある」という。
 特に「がん検診」は関心が高く、同病院の森典子院長も意見交換を通じて「日本でもまだ受診できる医療機関が限られるMRIの全身がん検査(ドゥイブス)には興味をもってもらえるのではないか」と実感。また、現地では大気汚染が深刻化しているため、肺のCT検査の需要も大きいことや、スムーズな受診のためにベトナム語の通訳の必要性も確認した。
 今後は年明けにも、最初の受け入れをスタートできるよう準備を進める。森院長は「将来的にはクルーズ客にも提案し清水の付加価値、ネームバリューを高めたい。地域医療を支え続けるための病院経営の一助にもできれば」と語る。
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