「酒どころ静岡」が挑む新たな日本酒酵母開発 県内蔵元も協力、2028年度の市場投入目指す …
静岡県沼津工業技術支援センター(沼津市)が日本酒用の新たな酵母開発に乗り出した。本県独自の「静岡酵母」をベースに、多様化するニーズに対応した酒造りを目指すプロジェクトで、2028年度の市場流通を視野に入れる。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録で注目を集める「伝統的酒造り」。時代に合わせて伝統を進化させ、国内の新たな需要開拓と輸出拡大につなげる。
日本酒造りで使われる酵母は、醸造過程で糖分をアルコールに変え、味わいや香りを生み出す重要な役割を担う。本県は独自の静岡酵母を使った酒造りで知られ、「吟醸王国」として高い評価を受けてきた。23年には地理的表示(GI)保護制度に指定され、官民を挙げた販路開拓が進む。
一方、全国新酒鑑評会の入賞は10蔵が金賞を獲得した1986年から減少傾向にあり、コロナ禍の需要減退もあって県内蔵元から商品の差異化につながる新たな酵母開発を求める声が高まっていた。静岡酵母をベースにした新酵母開発は約20年ぶりとなる。
静岡酵母を使った酒の多くは、バナナやメロンを思わせる上品で穏やかな香りとまろやかな味わいが特徴。この香りをさらに引き立て、ブランド向上を図る。静岡酵母に紫外線(UV)ライトを当てるなどして選抜を繰り返し、25年度中に10候補程度まで絞り込む。県内の杜氏(とうじ)らの協力も得て性能評価を行い、27年度にも蔵元に試験分譲する。新酵母と本県オリジナルの酒造好適米、種麹(こうじ)を使った「オール静岡の吟醸酒」として国内外にアピールする。
プロジェクトリーダーを務める同センターの鈴木雅博主任研究員(34)は「本県の日本酒の魅力、蔵元の醸造技術の高さやこだわりを伝えたい」と意気込む。
今夏には県産日本酒の質向上を目指したネットワーク組織「しずおか伝統型酵母研究会」も発足した。県内13の蔵元が入会し、技術講習会や勉強会などを通じてコンテストの入賞数増加を目指す。
会長に就いた杉井酒造(藤枝市)の杉井均乃介社長は「静岡吟醸も相対的な優位性がなくなってきている。認知度を高め、個性を極める機会になれば」と話した。
■10年で3倍以上…海外への輸出拡大
国内市場が縮小する一方、海外への日本酒の輸出は和食ブームなどを背景に増加傾向にある。2024年の輸出金額は434億円となり、この10年で3倍以上に拡大した。
県はふじのくにマーケティング戦略で日本酒を海外戦略品目に位置付け、販路開拓を後押ししている。県酒造組合は「新たな酵母開発によって静岡の日本酒の魅力を高め、知名度アップや輸出拡大につなげていきたい」と期待する。
日本酒造りで使われる酵母は、醸造過程で糖分をアルコールに変え、味わいや香りを生み出す重要な役割を担う。本県は独自の静岡酵母を使った酒造りで知られ、「吟醸王国」として高い評価を受けてきた。23年には地理的表示(GI)保護制度に指定され、官民を挙げた販路開拓が進む。
一方、全国新酒鑑評会の入賞は10蔵が金賞を獲得した1986年から減少傾向にあり、コロナ禍の需要減退もあって県内蔵元から商品の差異化につながる新たな酵母開発を求める声が高まっていた。静岡酵母をベースにした新酵母開発は約20年ぶりとなる。
静岡酵母を使った酒の多くは、バナナやメロンを思わせる上品で穏やかな香りとまろやかな味わいが特徴。この香りをさらに引き立て、ブランド向上を図る。静岡酵母に紫外線(UV)ライトを当てるなどして選抜を繰り返し、25年度中に10候補程度まで絞り込む。県内の杜氏(とうじ)らの協力も得て性能評価を行い、27年度にも蔵元に試験分譲する。新酵母と本県オリジナルの酒造好適米、種麹(こうじ)を使った「オール静岡の吟醸酒」として国内外にアピールする。
プロジェクトリーダーを務める同センターの鈴木雅博主任研究員(34)は「本県の日本酒の魅力、蔵元の醸造技術の高さやこだわりを伝えたい」と意気込む。
今夏には県産日本酒の質向上を目指したネットワーク組織「しずおか伝統型酵母研究会」も発足した。県内13の蔵元が入会し、技術講習会や勉強会などを通じてコンテストの入賞数増加を目指す。
会長に就いた杉井酒造(藤枝市)の杉井均乃介社長は「静岡吟醸も相対的な優位性がなくなってきている。認知度を高め、個性を極める機会になれば」と話した。
■10年で3倍以上…海外への輸出拡大
国内市場が縮小する一方、海外への日本酒の輸出は和食ブームなどを背景に増加傾向にある。2024年の輸出金額は434億円となり、この10年で3倍以上に拡大した。
県はふじのくにマーケティング戦略で日本酒を海外戦略品目に位置付け、販路開拓を後押ししている。県酒造組合は「新たな酵母開発によって静岡の日本酒の魅力を高め、知名度アップや輸出拡大につなげていきたい」と期待する。
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