ノートやティッシュ箱…「雑がみさま」たくさん集めよう リサイクル推進へ「紙のまち・富士」の…

2025/09/05 08:11 

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 紙リサイクルを推進する業界団体「古紙再生促進センター静岡地区委員会」(富士市)が、紙箱やプリントなど「雑がみ」を効果的に分別回収する社会実験に取り組んでいる。ごみに見える雑がみにも神様が宿っているという物語を市内の小学生に伝え、ものを大切にする意識を育んでリサイクルにつなげる。全国に先駆けて「紙のまち・富士」で試行した。
 「雑がみさまを探せ!」と銘打った実験は、自発的な行動を誘導する「仕掛学」が専門の大阪大大学院の松村真宏教授に指導を受け、児童に家庭での分別回収を促す。雑がみに宿る神様をかわいらしい絵柄でキャラクター化し、分別によって可燃ごみに紛れる「雑がみさま」を救出する―という物語に仕立てた。
 回収は8月27日に始め、9月上旬にかけて市内3校で実施した。田子浦小では夏休み前に「雑がみさま」について学んだ4年生が校内放送やチラシ配布を通して、全校児童に協力を呼びかけた。夏休み明けの27日には大きな紙袋を抱えた児童が次々と登校した。袋に入っていたのは、休み中に家庭で集めた大量の菓子箱やトイレ紙の芯、包装紙など。地元業者が出向き、計約200キロを回収した。
 雑がみの回収促進は、ごみの削減や製紙原料の確保につながる。一方、同センターが実施した市民アンケートでは「面倒」「雑がみの種類が分かりにくい」などの意見が目立つといい、生活者の分別意識向上が急務の課題となっている。
 全国組織の同センターが今後、同様の実験を各地区で実施する予定。静岡地区委員会の長橋宏和事務局長は「ただ分別を呼びかけるだけではなかなか定着しない。雑がみさまの考えが子どもたちに根付いて、いずれ社会全体の意識向上につながれば」と期待する。
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