日本成長戦略本部が初会合 新成長戦略、26年6月にとりまとめへ

2025/11/04 19:04 

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 政府は4日、高市早苗首相肝いりの経済政策を議論する「日本成長戦略本部」の初会合を官邸で開いた。人工知能(AI)・半導体など17の戦略分野を設定し、官民連携による重点的な投資の実現を目指す。首相は会合で「日本の供給構造を抜本的に強化して強い経済を実現する」と強調。来年6月ごろに新たな成長戦略をまとめる方針だ。

 首相は「危機管理投資」と「成長投資」による強い経済の実現を訴えている。戦略本部では、AI・半導体や造船▽量子▽防衛産業――など17分野を示し、分野ごとの投資内容やその時期、目標額などを盛り込んだ「官民投資ロードマップ(行程表)」の策定も指示した。「所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させることを目指す」と述べた。

 首相はこのほか、複数年度にわたる予算措置を約束することなどで、民間企業が先を見通して投資しやすくなる措置の検討も指示した。研究開発や事業拡大、規制改革などを通した需要の拡大も目指す。

 戦略本部の本部長は首相が担う。副本部長は木原稔官房長官と城内実経済財政担当相が務め、全閣僚が参加した。

 政府は同日、学者や経済界など有識者12人による「日本成長戦略会議」を設置した。首相は近く初会合を開き、月内にも閣議決定される経済対策に盛り込む重点事項をまとめることを求めた。

 これに伴い、岸田文雄元政権が設置し、石破茂前政権が引き継いだ成長戦略を議論する有識者会議「新しい資本主義実現会議」は廃止された。【高田奈実、大野航太郎】

毎日新聞

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