外国人政策、26年1月に対応策 高市首相「排外主義と一線画す」

2025/11/04 20:22 

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 政府は4日、外国人政策に関する新たな関係閣僚会議となる「外国人の受け入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議」の初会合を首相官邸で開いた。高市早苗首相は、外国人による不動産保有の実態把握や在留資格の審査の厳正な運用などを関係閣僚に指示した。12月までに開催予定の有識者会議での議論も踏まえ、来年1月をめどに「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」をまとめる。

 首相は「一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民が不安や不公平を感じる状況が生じている。排外主義とは一線を画しつつも、こうした行為には政府として毅然(きぜん)と対応する」と表明した。

 外国人政策の厳格化は首相の看板政策の一つで、自民党総裁選の公約にも掲げた。会議は「外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議」から改組。議長には木原稔官房長官が就任し、新設の外国人共生担当相を兼務する小野田紀美経済安全保障担当相と平口洋法相が副議長に就く。小野田氏が議論の取りまとめ役を担う。

 対応策の柱は、既存のルールを活用した在留資格の厳格運用と、外国人らによる土地取得などを把握する仕組みの検討などだ。

 具体的には、納税情報などを活用し、滞納している外国人の在留資格審査に反映する他、日本国籍取得の厳格化も検討。入国前に民間医療保険への加入を求める措置や査証手数料と在留許可手数料の引き上げも検討する。一方で、出入国在留管理庁と市区町村などとの情報連携を推進し、子供も含めた在留外国人への日本語教育も充実させる。

 また、国外からの取得を含めたマンションの取引実態の把握・公表に加え、森林取得届け出時などに国籍を把握したり、外為法に基づき国外からの不動産取得を幅広く把握したりする仕組みも検討する。

 一方、日本維新の会との連立合意書に盛り込まれた外国人の受け入れに関する数値目標などの総量規制については、「外国人の受け入れの基本的な在り方に関する基礎的な調査・検討」を実施した上で、是非も含めて慎重に検討する方針だ。【大野航太郎】

毎日新聞

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