モロッコからスペイン領に移民5万人、大半は帰国 50人超死亡

2026/08/01 10:29 

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 北アフリカのモロッコから陸続きのスペイン領セウタに7月30~31日、多数の移民が押し寄せた。ロイター通信によると、推定で約5万人が海を泳ぐなどしてセウタに流入し、少なくとも57人が死亡したという。大半はすでにモロッコへ自発的に帰国したとみられている。国境管理が一時機能不全に陥り、スペイン政府は軍を現地に派遣して秩序回復にあたった。

 セウタの人口は約8万3600人で、その半分以上の移民が一気に流入したことになる。移民の多くはモロッコ人の若者で、中には子連れの家族もいたという。スペイン紙エルパイスは、寝る場所が見つからなかったり食料が手に入らなかったりしたために帰国した移民の話を伝えている。

 移民が突然に押し寄せた理由は明らかになっていない。スペインの最高裁が7月、モロッコからセウタに泳いで渡る移民を摘発しても即座に強制送還してはならないとの判断を示していたという。

 スペインのサンチェス首相は31日、セウタを訪問し、移民の流入を「スペインの領土保全に対する侵害」と訴えた。背景に密入国をあっせんする業者の存在があるとの見方を示し、「多くの若者を欺き、最終的には死に追いやっている」などと指摘した。

 左派のサンチェス政権は移民に寛容で不法移民を合法化する政策を進めている。一方で、移民の受け入れを厳格化している国もあり、多数の移民の殺到は欧州全体に波紋を広げている。

 ロイター通信によると、イタリアは31日、欧州連合(EU)域内の自由な移動を可能にする「シェンゲン協定」の適用をスペインとの間で1カ月間停止すると表明した。フランスもスペインとの国境での取り締まりを強化したという。

 米国務省はX(ツイッター)で「この容認できない事態は、スペイン政府が欧州への大規模な不法移民を容認し助長してきた結果だ」と批判した。【ブリュッセル鈴木一生】

毎日新聞

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