円安でロシア人の観光ビザ申請が急増 日本大使館がセンター新設へ

2025/10/18 16:28 

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 在ロシア日本大使館は、観光目的で急増するロシア人の訪日ビザ(査証)申請に対応するため、ビザセンターを首都モスクワと第2の都市サンクトペテルブルクに1カ所ずつ設置する計画を進めている。運営を代行する民間業者を11月中に競争入札で決定し、その後、速やかに開設するという。

 2022年2月にウクライナ侵攻を開始したロシアの国民に対して、欧州連合(EU)加盟国などはビザ発給を厳格化した。他方で、日本は比較的容易にビザを取得でき、円安も続いていることからロシア国内で旅行先として人気が高まっている。

 在露日本大使館によると、ロシアでのビザ申請の増加傾向は今後も続くと予想される。大使館の広報担当者は「領事サービス向上の観点から、業務の合理化を図り、混雑緩和や待ち時間短縮を目指す」と話し、「審査は大使館と総領事館で厳格に行う」と説明した。

 業者募集の文書で示された評価項目には「将来的に露極東地域にもセンターを構築する能力」の有無を問う記載もあるが、まずは2大都市での開設となる。

 日本大使館におけるロシア人への訪日ビザ発給件数は、23年は1万9552件、24年は5万1115件と推移してきた。今年は9月末現在で既に8万件を超えている。観光目的が約9割を占めるという。

 ビザセンターは、ビザ申請の窓口業務などを代行するもので、日本政府はこれまでに、タイやシンガポールで開設している。【モスクワ真野森作】

毎日新聞

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