米軍、ベネズエラ沖で「麻薬運搬船」攻撃 生存者2人拘束 米紙報道

2025/10/18 15:05 

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 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は17日、米軍が16日に南米ベネズエラ沖で「麻薬運搬船」を攻撃し、生存者2人を拘束したと報じた。乗組員のうち2人は死亡したという。米軍は9月以降、カリブ海で少なくとも計6隻に爆撃を加えて計29人を殺害している。生存者の拘束は初めて。

 報道によると、米軍は半潜水艇を攻撃し、その後に周辺で2人の生存者を発見。沿岸警備隊が救助し身柄を軍艦に移したという。米ホワイトハウスで17日に記者団の取材に応じたトランプ大統領は「潜水艇に大量の麻薬が積まれていた」と主張。ルビオ国務長官も「麻薬テロリストに対する作戦を実施中だ」と述べたが、詳細な言及は避けた。

 トランプ氏らはこれまで、自身のソーシャルメディアなどに攻撃した際の映像を投稿し、強硬な麻薬対策の取り組みをアピールしてきた。ただ、殺害した「麻薬テロリスト」の身元や積み荷の詳細などは明らかにしていない。

 トランプ政権は、軍の民間人への攻撃は国際法違反だとする批判に対し、「テロ組織との武力紛争」と主張して攻撃を正当化している。一方、NYTによると、トランプ政権が捕虜として生存者の拘束を続けようとしたり、刑事手続きを進めようとしたりすれば、裁判で主張の正当性の立証を迫られる可能性があるという。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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