予算協議難航 バンス氏、民主党を批判 「政府閉鎖に向かっている」

2025/09/30 12:32 

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 トランプ米大統領(共和党)は29日、ホワイトハウスに共和・民主両党の議会指導部を招き、予算切れに伴う10月1日からの政府機関の一部閉鎖を回避するために協議した。しかし、前年度並みの歳出を暫定的に認めて政府運営を続ける「つなぎ予算」を巡って双方の溝は埋まらず、バンス副大統領は協議後、「我々は政府(機関の一部)閉鎖に向かっている」と記者団に語った。タイムリミットが迫り、政府機関の一部閉鎖が現実味を帯びつつある。

 共和党は本予算策定までの時間を稼ぐため、2026会計年度が始まる10月1日から11月21日まで前会計年度並みの歳出を維持するつなぎ予算案を提出した。一方、民主党はつなぎ予算案に医療保険補助の延長などを盛り込むよう主張して反発し、交渉は行き詰まっている。

 連邦議会は上下両院とも、共和党がわずかな議席差で多数派を占めている。ただし、上院(定数100)では、議事妨害(フィリバスター)を阻止して手続きを進めるためには60票が必要だ。現状は共和党が53議席、無所属を含めた民主党系が47議席。共和党が可決に持ち込むためには、民主党の一部からも支持を得る必要がある。共和党のつなぎ予算案は9月19日に下院では可決されたが、上院では否決された。

 ホワイトハウスでの協議後、バンス氏は記者団に対し、医療保険の議論は予算の協議と分けて行うべきだとし、「民主党が正しいことをしないため、我々は政府閉鎖に向かっていると思う」と批判した。一方、民主党のシューマー上院院内総務は記者団に「政府閉鎖を望むか否かは共和党次第だ。大統領が医療保険に関して我々が求めていることの一部を受け入れれば、政府閉鎖は避けることができる」などと語った。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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