トランプ氏、関税訴訟で敗訴なら日・EUなどとの貿易合意「解消」も

2025/09/04 10:15 

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 トランプ米大統領は3日、連邦控訴裁(高裁)が「相互関税」などを違法と判断したことを巡り、最高裁で敗訴すれば日本や欧州連合(EU)、韓国などと結んできた貿易交渉の合意を解消せざるを得なくなる可能性があるとの認識を示した。ホワイトハウスでポーランドのナブロツキ大統領と会談した際、冒頭で記者団の質問に答えた。

 トランプ氏は、関税がなければ「米国は非常に貧しい国になり、世界中の国々に搾取される」と主張。「最高裁で極めて重大な訴訟がある」と上訴する意向を改めて示し、「もし敗れれば米国は甚大な損害を被るだろう」と語った。さらに、EUとの貿易協定などに触れ、「それらを解除しなければならなくなるだろう」などと話した。

 高裁は8月29日、トランプ政権が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき相互関税を発動したことについて、「大統領令によって関税を課すことを認めていない」との見解を示した。米国への合成麻薬の流入対策が不十分だとしてカナダ、メキシコ、中国に課している制裁関税もIEEPAが根拠となっており、同様に違法と判断した。

 これに対し、トランプ政権は上訴する方針だ。高裁判決は10月14日に発効するが、それまでに上訴すれば、最高裁が違法との判断を下すまで関税は有効とみなされる。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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