米フロリダ州、ワクチン接種義務を全廃方針 小児科学会はリスク指摘

2025/09/04 10:02 

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 米南部フロリダ州のラダポ公衆衛生長官は3日、子どもの就学などに必要なワクチンの接種義務を全面的に撤廃する方針を表明した。米メディアによれば、実現すれば全米初となる。

 米国では就学などのために義務づけられるワクチンは州ごとに異なる。フロリダ州では年齢に応じてポリオやはしか、ジフテリアなどの接種が定められ、宗教上の理由などで免除も認められている。すべての接種義務を撤廃するには議会の承認が必要になる。

 ラダポ氏は記者会見で、ワクチンは個人の選択であるべきだと主張し、義務化は「誤りであり、侮辱と隷属に満ちている」と述べた。ラダポ氏は過去に新型コロナウイルスワクチンに関する誤った情報を発信したとして、連邦機関の疾病対策センター(CDC)から公開書簡で非難を受けたことがある。

 記者会見に同席したデサンティス知事(共和党)はラダポ氏の方針を支持し、「医療の自由における全国的なモデルになる」と主張した。

 米紙ワシントン・ポストによると、米小児科学会のクレスリー会長は「フロリダ州の公立校の児童たちが病気になる高いリスクにさらし、地域社会全体に波及することを懸念する」と危惧した。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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