イラン、60%濃縮ウランの保有量増加 6月時点で IAEA報告書

2025/09/04 11:52 

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 国際原子力機関(IAEA)は3日、イランが6月にイスラエルの攻撃を受ける直前に保有していた濃縮度60%のウランは約440・9キロで、5月時点から32・3キロ増加していたとする報告書を加盟国に送付した。イランがIAEAとの協力を停止しているため、現時点での高濃縮ウランの残量は不明としている。AP通信などが報じた。

 イランの核関連施設は6月13日に始まったイスラエルとの戦闘で空爆を受け、米国からも攻撃された。報告書に記載された保有量は、イランから提供された情報やIAEAが同12日までに行った査察などに基づくとしている。濃縮度を90%に高めれば、核爆弾10個分に相当するという。

 イランは、IAEAが5月に発表した前回報告書でイランが核開発を進めていると指摘したことが攻撃を招いたとして、協力を一時停止した。報告書は「深刻な問題」と懸念を表明し、早期再開を求めた。

 高濃縮ウランの生産を続けてきたイランに対し、英仏独は8月、国連制裁を復活させる手続きを開始。イランはIAEAと査察再開に向けた協議を進めている。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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