避難所に9000人超 10年前課題の健康被害懸念高まる 熊本地震

2026/07/31 19:58 

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 激震、停電、断水、そして連日の猛暑が、熊本地震の被災者を苦しめている。各地の避難所に身を寄せる人は依然9000人を超え、熱中症で搬送される人も出ている。クーラーが備わっていない避難所を避けて車中泊を選ぶ被災者も多く、10年前の熊本地震で課題となったエコノミークラス症候群のような健康被害への懸念も高まる。一方、停電は多くの場所で解消し、九州新幹線も博多―熊本間で運行を再開した。被災地にわずかながら復旧の兆しが見えてきた。

 ◇3日は酷暑日の予想

 熊本県は31日、地震による死者が災害との関連を調査中の2人を含め36人になったと発表した。重症者は6人。県によると、複数の煙突が倒壊するなどした日本製紙八代工場(同県八代市)で、心肺停止状態で見つかった1人の死亡が新たに確認された。

 住宅被害は1526棟(午後7時時点)で、内訳は全壊182棟、大規模半壊20棟、半壊225棟、一部破損1032棟――など。避難所は午後7時現在、348カ所開設され、9532人が避難している。

 気象庁によると、熊本県内では最高気温が35度以上の猛暑日が続いており、31日も八代市と熊本市で最高気温35・7度を記録。熱中症による搬送が相次いでいる。今後も厳しい暑さが続く見込みで、3日には40度以上の酷暑日も予想されている。

 ◇4カ月の息子抱いて給水に並び

 車中泊を続けている氷川町の堀内和彦さん(71)は「毎日暑い。何をするにも水は必要だし、熱中症になってはいけないと水分を多くとろうと思うと、給水に来ても足りなくなってしまう」と話した。

 また、断水は氷川町や八代市、宇城市など10市町の計7万9100戸で続いており、復旧のめどは立っていない。

 氷川町の町役場では、朝から給水を待つ人が列を作った。同町の藤田寿子さん(38)は4カ月の息子を抱いて列に並んだ。「何度も来ては申し訳ない気がして毎朝1回だけ来ている。母乳で育てているので本来は水をたくさん飲まないといけないが、控えてしまっている。風呂に入れないと子どもの首がかぶれて困った」と話した。

 ◇停電は解消

 一方で復旧の兆しも出ている。九州電力によると、熊本県内の停電は住宅の断線などによる停電を除き、31日午後までに全て解消した。また、JR九州は地震の影響で見合わせていた九州新幹線の筑後船小屋(福岡県筑後市)―熊本間の運行を再開した。ただ、熊本―新水俣間の8月中の運行再開は難しいという。

 11人が建物内に閉じ込められた日本製紙八代工場では全員が救助され、うち9人の死亡が確認された。同社は6人が同社社員、3人は協力会社の社員だったと明らかにした。11人が閉じ込められた理由については、煙突が折れて落下したことが原因とみられると説明している。

 地震発生後に爆発があったショッピングモール「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)では12人が救助され、うち死者数は7人となった。イオンによると、亡くなったのはいずれもテナントの従業員で、3人はアパレル大手「オンワードホールディングス」(東京)の従業員だった。【久野洋、川畑岳志、池田一生、山田豊、井土映美】

毎日新聞

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