海にいなかった社長の過失は問える? 知床沈没事故、17日判決
北海道・知床半島沖で2022年に観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没し、乗客乗員全26人が死亡・行方不明となった事故で、業務上過失致死罪に問われた運航会社「知床遊覧船」社長の桂田精一被告(62)の判決公判が17日、釧路地裁で開かれる。男性船長(当時54歳)は、事故で死亡。桂田被告は船長と異なる立場から安全を管理し、運航判断を担う運航管理者を務めていた。事故当時は海上にいなかった被告の過失や責任について司法判断が示される。
カズワンは強風、波浪注意報が発表されていた22年4月23日午前10時ごろ、斜里町のウトロ漁港を出航。蓋(ふた)に不具合のあったハッチから海水が大量に流入したことを主な原因とし、午後1時20分過ぎに沈没したとされる。事故3日前の日本小型船舶検査機構(JCI)の検査では蓋の不具合は指摘されていなかった。
争点は事故を予見することができたかどうか。検察側は、ハッチからの海水流入による沈没を具体的に予見できたとは言い難いと認めつつ、予想された気象、海象ならば船体が激しく揺れるなどし、乗客が死傷する恐れはあったとして予見可能性は認められ、発航中止の指示などを取るべきだったと指摘。法定刑上限の禁錮5年を求刑した。
対して弁護側は「(桂田被告が)事故前に(ハッチの)機能不全を知らされず、JCIの検査でお墨付きを与えられた」と、事故を予見できなかったと強調。天候悪化前の午前に本来のコースを短縮して帰港することが船長との共通認識だったと主張している。
起訴状によると、桂田被告は22年4月23日、強風や高い波などが予想される中、運航管理者として航行中止指示などの注意義務を怠り、船を沈没させ、乗客乗員を死亡させたとされる。【谷口拓未】
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