熊本地震「忘れてはいけない」 継承誓う遺族 発生10年追悼式

2026/04/16 19:08 

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 観測史上初めて最大震度7の激震に2度襲われ、熊本と大分両県で災害関連死を含む278人が亡くなった2016年4月の熊本地震の本震から10年となった16日、熊本県と市町村合同の追悼式が熊本市の熊本城ホールであった。遺族や木村敬知事らが参列し、犠牲者に黙とうをささげた。

 熊本地震の記憶の風化を防ぎ、防災への思いを新たにするため、初めて県と県内市町村が合同で開催した。木村知事は「熊本の未来を担う子どもたちが、安心と希望を持って歩んでいける『ふるさと熊本』をつくり上げることを改めて固く誓う」と式辞を述べた。

 参列した熊本県菊陽町の大塚弘也さん(58)は、父を車中泊避難が原因で亡くし、その後災害関連死に認定された。大塚さんは「この10年、父が亡くなってからずっと思い出してしまって、頭から離れなかった。地震のことを忘れてしまってはいけないな、という気持ちが強く、参加を決めた。これからは後世に伝えていくことが大事。何か自分にもできることがあったらと思う」と語った。

 同じく災害関連死で夫・久三郎さん(当時83歳)を亡くした熊本市の田中悦代さん(92)は、東京から駆けつけた長女と参列した。久三郎さんは旅好きで、花植えなど手仕事が得意だったという。1人暮らしになった悦代さんは、久三郎さんのために買った仏壇の前で毎日手を合わせることを欠かさない。「83歳での死はやっぱり早かった。まだまだ元気で生きていてほしかった」と夫に思いをはせた。

 熊本地震は16年4月14日午後9時26分にマグニチュード(M)6・5の前震が発生。その約28時間後の16日午前1時25分、M7・3の本震が発生した。家屋倒壊などの直接死で50人が犠牲になり、16年6月の豪雨災害で亡くなった5人も地震との関連が認められた。避難生活で体調が悪化するなどして亡くなる災害関連死は両県で223人に上った。【日向米華、池田直】

毎日新聞

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