逮捕は21年、異例の5年越し起訴 妻殺害疑いで処分保留の夫拘束
2020年に東京都国立市のアパートで妻(当時41歳)を殺したとして翌21年に逮捕された後、処分保留で釈放されていた夫(49)について、東京地検立川支部は17日、殺人罪で起訴した。夫は事件後に「妻が自分で飛び降りた」という主張をしていたが、追加捜査でその可能性を排除できると判断したとみられる。逮捕から5年越しという異例の起訴に至った。
夫は高張(たかはり)潤被告で、17日に検察に身柄を拘束された。起訴状などによると、20年11月29日、国立市のアパート9階の自宅一室で、妻麻夏(あさか)さんの首を絞め、ベランダから投げ落として殺したとされる。検察は認否を明らかにしていない。
警視庁や捜査関係者によると、長女と3人暮らしだった高張被告は事件翌朝に「気付いたら妻がベランダの下に倒れていた」と自ら110番。「前夜に夫婦げんかをした後、外出したと思っていた。育児で悩んでいたので、自分で飛び降りたと思う」と話していた。
捜査を進めた警視庁は、麻夏さんの首に絞められた痕があったうえ、付近の防犯カメラに現場のベランダで二つの人影が動く様子が映っていたことなどから、夫の高張被告を21年2月に殺人容疑で逮捕した。
一方で高張被告は容疑を否認。検察は21年3月に処分保留で釈放した。死因は窒息ではなく落下による内臓損傷のため自ら落下した可能性を排除できず、カメラ映像も不鮮明で殺害を証明する直接的な証拠が乏しいと判断したとみられる。
ただ、その後の追加捜査で、麻夏さんの遺体は肺で確認された出血量が少なく、落ちる前に死亡したか仮死状態に陥っていた可能性が高いと法医学者が証言。事件は他殺で夫の高張被告以外に手を下せる人物がいないと立証するめどが立ったとみられ、検察は起訴に踏み切った。【朝比奈由佳、松本ゆう雅、菅健吾】
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