「極めて遺憾」 教員免許失効DB未活用巡り、文科省が通知

2025/12/23 14:16 

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 児童生徒らへの性暴力により教員免許を失効した人物の情報を登録しているデータベース(DB)を全国の教育委員会や学校法人などの7割が適切に活用していなかった問題で、文部科学省は23日、教委などに活用の徹底を求める通知を出した。改善がみられない場合、自治体や学校法人名を公表することを検討している。

 松本洋平文科相は23日の閣議後記者会見で、DBの活用状況について「大変遺憾」を繰り返したうえで「多くの教員採用権者が法律で義務付けられた手続きを実行できていなかった事実を重く受け止めている」と強調。従来の周知について「必ずしも適切な活用には至らないと判断し、確実にDBを活用させるための実効的な対策検討について指示した」と述べた。

 通知はDBの活用状況について「極めて遺憾で、強い危機感を抱いている」として早急な対応を求める内容。文科省がDB活用の手順を説明する動画やマニュアルを作成し、周知するとしている。文科省の担当者によると、今後も適切な活用が確認できない場合は自治体や学校法人名の公表を検討している。

 松本氏は「単に(教委などに)お願いして『後は皆さんよろしく』では、こうした結果になってしまった。もう一歩踏み込んだ対策をやっていかなければいけない。順次実行に移し、子どもたちへの性暴力の根絶を果たしたい」と話した。

 文科省によると、2022年施行の「教員による児童生徒性暴力防止法」で義務づけられているDB活用について、調査対象の1万524団体のうち全体の69・4%にあたる7306団体が適切に活用していなかった。【西本紗保美】

毎日新聞

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