墓の管理悩む市民に 骨壺で無期限に遺骨預かるサービス 反響大きく
奈良市白毫寺町の市寺山霊苑納骨堂が全面リニューアルされ、23日に供用を開始した。墓じまいを考えたり、墓の管理に悩みを抱えたりする市民のニーズに応えるため、遺骨を個別に骨壺で無期限に預かる永代収蔵サービスをスタート。市によると、個別に骨壺に入れた状態で無期限に収蔵するのは全国的に珍しいという。10月に受け付けを開始し、既に市の想定を上回る1300件超の申し込みがあり反響を呼んでいる。
寺山霊苑納骨堂は1969年に建てられたが、活用率が悪く、手入れも不十分な状態が続いていた。そんな中、斎苑管理課の職員が墓地に訪れる市民から「墓じまいを考えている」「墓の管理のために子どもや孫に負担をかけたくない」との声を聞き、なんとかできないかと思案。「元々ある納骨堂を役立てられないか」と仲川げん市長に提案し、2年ほどで全面リニューアルと永代収蔵サービスの開始が実現した。
納骨堂は、高円山のふもとに位置している。納骨堂の正面に祭壇が設けられ、遺族らは気軽にお参りできる。管理棟も新築し、多目的トイレや車椅子用駐車場を整備。バリアフリー化も進めた。
永代収蔵サービスは市民以外でも利用でき、生前の申請も受け付ける。利用料は市内在住は8万円、市外は15万円。年会費といった追加費用は不要。15日時点で申込総数は1303件(うち生前申請は982件)に上る。
骨壺は2・3寸(直径約7・5センチ、高さ約8センチ)で市が用意し、収蔵数は2万体。無期限で預かるが、遺族の申し出があれば預けてから15年間は返却も可能。お供え物は持ち帰る必要があったり、個別に骨壺を取り出してお参りすることはできなかったりと注意点もある。
23日に霊苑内で行われたオープニングセレモニーに出席した仲川市長は「奈良がお好きな方も含め、多くの方に安心して利用してほしい」と話した。
問い合わせは斎苑管理課(0742・34・3502)。【木谷郁佳】
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