「トランプ帰れ」地元団体が抗議 日米首脳、米海軍横須賀基地訪問

2025/10/29 08:48 

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 トランプ米大統領が28日、ヘリコプターで高市早苗首相と共に米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を訪れ、日米の強固な同盟をアピールした。こうした動きに、地元の平和団体が「トランプ帰れ」と抗議の声を上げた。【福沢光一】

 米海軍や海上自衛隊両基地近くにあるヴェルニー公園には両首脳の到着を一目見ようと300人超の人だかりができた。

 午後3時半過ぎ、両首脳が搭乗したヘリが到着すると、「ゴーホーム トランプ」などのシュプレヒコールがわき起こる。

 海上でも、市民団体「ヨコスカ平和船団」は2隻を連ね、抗議活動を展開。両首脳が演説する米原子力空母「ジョージ・ワシントン」の方向に向けて、「日米首脳の軍拡表明を横須賀市民は拒否します!」のプラカードを船上で掲げた。

 横須賀は朝から緊張した雰囲気に包まれていた。米海軍横須賀基地のゲート前を通る国道16号沿いの各交差点には大勢の警察官が立ち、日米艦船を見ながら民間船で港を巡る「YOKOSUKA軍港めぐり」は終日運休だ。

 公園では午前11時半から、日米同盟の拡大強化に反対する8市民団体や共産党、社民党、新社会党の関係者約50人が集まり「日米軍事一体化抗議」「戦争はいらない NO WAR」などの横断幕を掲げた。

 各団体メンバーが次々とマイクを握り、「横須賀のことは市民が決める。トランプが決めるのではない」「横須賀を海外の戦争の出撃拠点にするな」などと訴えた。

 横須賀市民九条の会の岸牧子さん(69)は「トランプ氏の要求に応える形で、高市首相は、国家安全保障戦略など安保関連3文書を前倒しで改定し、日本の軍事費(防衛費)を増額しようとしている。戦争を絶対させないという声を大きくしよう」と呼び掛けた。

 一方で、同市の男性会社員(29)は「横須賀の経済は米海軍基地に頼っている」と切り出し、防衛費増額はやむなしとの立場だ。「トランプ氏はビジネスマン出身。経営者としては防衛費で日本の負担増を求めるのは当然だろう。トランプ氏は自分の主張を押し切るので、日本はお金を出すしかない」と諦め口調で付け加えた。

毎日新聞

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