国交省がJALを厳重注意 「要注意」機長飲酒による遅延で

2025/09/10 10:28 

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 日本航空(JAL)国際線の機長が8月、乗務前に飲酒してハワイ発の3便が遅れた問題で、国土交通省は10日、JALを厳重注意の行政指導とした。同日午前、国交省航空局の石井靖男安全部長がJALの中川由起夫常務に文書を手渡した。

 JALではパイロットの飲酒による欠航や遅延が続発し、国交省は昨年12月に業務改善勧告を出した。勧告後も改善がみられず、再度の措置となった。

 JALによると、機長は現地時間8月28日のホノルル発中部空港行きに乗務する前日、ホテルの自室でビールを3本飲んだ。乗務当日、約60回の自主検査をしたが、アルコールは検知され続けた。この影響で3便が最大18時間以上遅れた。

 JALは昨年12月、パイロットは滞在先で全面禁酒とする社内ルールを設けた。この機長に対しては、過去のアルコール検知歴などから「要注意者」リストに載せ指導していたが、今回の問題発覚後、禁酒ルールの設定以降も飲酒を繰り返していたことが判明した。

 国交省は今月3日、JALの運航本部を監査。中野洋昌国交相は5日の記者会見で「安全意識が徹底されていない」と指摘した。【木村敦彦】

毎日新聞

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