裏金使途は「飲食費やカード支払い」 大野元参院議員初公判で検察側

2025/09/10 15:35 

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 自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、清和政策研究会(旧安倍派)から受領した約5100万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた元参院議員、大野泰正被告(66)の初公判が10日、東京地裁で開かれた。検察側は冒頭陳述で、裏金とされる現金の使途について「元議員の飲食費やクレジットカードの支払い、事務所の経費に充てられた」と指摘した。

 検察側は、元秘書だけでなく大野元議員自身も旧安倍派の事務所を訪れ、パーティー券収入のノルマ超過分を現金で受け取っていたと主張。元議員の個人口座に入金されることもあったとした。

 また、ともに起訴された元秘書、岩田佳子被告(62)から旧安倍派からのキックバック(還流)を寄付として記載していない収支報告書の案を見せられても、修正させることなく了承していたと指摘した。

 一連の事件で、会計責任者ではなく政治家本人が公開の法廷に立つのは初めて。不記載額約5100万円は、派閥からパーティー券収入のノルマ超過分のキックバックを受けた議員側で最多となる。

 大野元議員は「(元秘書との)虚偽記載の共謀は一切ない。政治的、道義的責任はあるが、犯罪を犯したことはない」と起訴内容を否認した。岩田元秘書も無罪を主張した。

 起訴状によると、大野元議員と岩田元秘書は共謀。2018~22年に所属していた旧安倍派から計約5100万円のキックバックを受けたのに、収支報告書に記載しなかったとされる。【安達恒太郎】

毎日新聞

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