「拘禁刑」で刑事政策は大転換 懲らしめ→更生 改正刑法が施行
懲役と禁錮を一本化して「拘禁刑」を創設する改正刑法が6月1日に施行された。従来の刑務作業が義務ではなくなり、個々の受刑者の特性や事情に合わせた処遇メニューが実施できるようになる。刑の種類が見直されるのは、1907(明治40)年に現行刑法が制定されてから初めて。刑罰の軸足は「懲らしめ」から更生や再犯防止へと移り、日本の刑事政策は大きな転換点を迎える。
現行刑法は主な刑について、死刑▽懲役▽禁錮▽罰金▽拘留▽科料――と定めている。懲役は作業を義務付けているのに対し、禁錮は義務付けていない。ただし、禁錮の受刑者も大半が希望して作業をしており、二つの刑罰を区別する意義が薄れていた。懲役、禁錮は廃止される。
拘禁刑は、施行日の6月1日以降に起きた事件や事故で有罪になった人が対象。実際に裁判で拘禁刑が言い渡され、受刑者が刑事施設に入所するのは数カ月先になるとみられる。判決の主文は「懲役3年」などが「拘禁刑3年」などになる。5月31日までの犯罪は引き続き、懲役と禁錮が科せられる。
受刑者への矯正処遇は、作業の他に社会復帰に向けて必要な知識や生活態度を習得させる「改善指導」、学力の向上を図る「教科指導」がある。ただ、懲役では作業の実施が前提となるため、必要な指導に十分な時間が割けない課題があった。
改正刑法は拘禁刑について「受刑者の改善更生を図るため、必要な作業をさせ、指導を行う」と明記。受刑者の事情や特性に応じて、作業や指導を柔軟に組み合わせたオーダーメード型の処遇が可能となる。
具体的には24種類の「矯正処遇課程」を新設する。主に犯罪傾向の進み具合によって受刑者を分類してきた手法を見直し、受刑者の年齢や刑期の長さ、障害といった同じような特性を抱えるグループに分けた上で、必要な処遇を実施する。
入所後の早い段階から受刑者ごとの支援ニーズを把握し、出所後の住まいや就労先、福祉サービスの確保といった対策も強化し、受刑者の円滑な社会復帰につなげる。
全国の刑事施設(刑務所、少年刑務所、拘置所)に収容されている受刑者は、2023年末時点で3万3882人。【三上健太郎】
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