高校の「水中生物研究会」、絶滅危惧種を次々に発見 福岡

2025/05/15 22:13 

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 絶滅危惧種の生物を次々に発見している高校生の課外活動がある。福岡第一高と第一薬科大付属高=いずれも福岡市南区=による「水中生物研究会」で、希少生物の保護や国内外来種の問題などをSNS(ネット交流サービス)で発信してきた。

 研究会は2019年に設立され、第一薬科大付属高の理科室で希少生物を飼育し、生態調査などを続けてきた。23年には篠栗町で県レッドデータブックの絶滅危惧種トノサマガエルを発見。翌24年にもうきは市で水生昆虫シマゲンゴロウを20年ぶりに発見した。

 現在、姉妹校である両校の生徒計20人が在籍し、15種類約45匹の生き物を飼育。太田喜視(よしみ)顧問(59)と生き物の探索に出かけることもあり、校内には24年に篠栗町で発見した青色に色彩変異したニホンアマガエルなど希少生物が並ぶ。

 また沖縄県宮古島市からヤエヤマセマルハコガメを譲り受けて飼育。このカメは国指定天然記念物でありながら、生息地の同県・石垣島や西表島から人為的に宮古島市に持ち込まれた可能性がある。同市では生態系を壊す恐れがある国内外来種で、こうした問題をSNSなどで発信してきた。

 生徒らの活動は評価され、11日に東京で開かれた「全国野鳥保護のつどい」野生生物保護功労者表彰(日本鳥類保護連盟など主催)で、研究会は文部科学大臣賞を受賞した。

 表彰式に参加した第一薬科大付属高3年のアットゥハイルエ・ジャスミンさん(17)は「元々生き物が好きで研究会に入った。活動が賞につながると思わなかった」と驚く。福岡第一高3年の田中真優さん(17)は「小さい頃に見かけた生き物が段々といなくなっていると感じる。一つでも多くの生き物を残していきたい」と話した。【宗岡敬介】

毎日新聞

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