【熊本地震 現地ルポ】スマホも壊れる“災害級の暑さ” 熱中症リスク抱えながらの片付け、近づ…

2026/08/04 09:34 

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 連日のうだるような暑さに気力と体力を奪われる。猛暑日となった1日午前、熊本県の氷川町で、イチゴ農家の40代女性は噴き出す汗を拭いながら、地震で倒壊した自宅と作業場を片付けていた。熱中症など、地震と暑さの二重被害が懸念されていることは分かっているが、台風が近づいている。「やらなければ何も進まないですから」
 育てていたイチゴは、同県特産の「ゆうべに」と主力品種の「恋みのり」。苗のほとんどが地震で倒れ、断水のため何日も水を与えていない。「イチゴができたとしても、作業場が使えないから箱詰めができない。今年はもうだめですね」と力なくつぶやいた。
 「体育館の中は蒸し風呂のようだった」―。同日午前、八代市鏡町の鏡小で市民の生活を支える市職員(43)は額を拭った。避難所となった同校の体育館には空調設備がない。近隣には電気と水道が通っている別の避難所があったが、車を持たない高齢者にとっては遠い。日中は自宅の片付けをするため、離れられない避難者もいた。
 7月30日の停電解消後にスポットクーラーと扇風機が設置されたが、災害級の暑さには対応しきれなかった。翌31日にようやくエアコンのある校舎に移動。今も断水解消のめどは立たず、物資も足りていないが、「エアコンがあれば天国です」と本音を漏らす。
 ペットや倒壊家屋の防犯対策のため、車中泊を選ぶ被災者もいる。一酸化炭素中毒を防ぐには、就寝時に車のエンジンを切らなければならない。同市の70代女性は、「うちわであおぐしかない。まさか車中泊することになるなんて」と嘆いた。
 外部支援が本格化する中、暑さは電子機器にも思わぬダメージを与えている。8月1日夜に熊本市内で開かれた民間支援団体の情報共有会議では、暑さの課題が多く挙がった。同県建築士会の担当者は、「建物の応急危険度判定の作業中、スマホが熱を持って正常に動かなくなり、データが消えてしまった」と報告した。
 高温による避難所や福祉施設の衛生環境、食中毒リスクへの懸念も尽きない。断水が続く地域では風呂の問題が深刻だ。氷川町役場の掲示板には、足りていない支援物資として消臭剤、タオル、体ふきシートが挙がっていた。
 熊本県内には2日も熱中症警戒アラートが発表されている。猛暑下の復旧作業は、終わりが見えない。
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