赤字続きの駿河湾フェリー「収支改善は困難」 事業検証委が初会合「公的資金頼りでは持続不可」

2026/08/03 11:30 

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 静岡県は23日、県庁で駿河湾フェリーの事業検証委員会の初会合を非公開で開いた。会合後に取材に応じた会長の平木省副知事は「(委員間では)現行のままでは収支改善は難しいとの共通認識だった」と述べ、船体の小型化や新たな体制での運営などの可能性を議論していくとした。検討内容を踏まえ、県議会12月定例会をめどに鈴木康友知事が運航継続の是非を含めた方針を表明する見通し。
 委員からは旅行形態が団体から個人に変化していることを踏まえたビジネスモデルの転換、船体の小型化によるコスト削減などが必要との意見が上がったという。次回は小型化した場合の収支シミュレーションや現行体制のまま運航を継続した場合の試算を示し、事業や航路の継続可能性、方策を検討する。
 平木副知事は「フェリーは交通、防災、観光の面で価値がある。維持できれば望ましい」とした上で、「今のような公的資金頼りでは持続可能ではない。どのような方策があるか、民間の視点を入れて見いだしていきたい」と述べた。
 駿河湾フェリーは2019年度に県と3市3町でつくる一般社団法人が民間から経営を引き継いで以降、赤字が続いている。県と3市3町がこれまでに投入してきた負担金は計約16億4千万円に上り、製造から20年となる船体の老朽化で定期検査と修繕にかかる費用も年々増加。19年度に約5千万円だった維持管理費は26年度には倍の約1億1千万円になる見込みだ。
 昨年4月に清水港側の乗り場がJR清水駅前に移転し、利便性が向上して徒歩乗船者は増加した一方、運航時間が延び、便数が1日4便から3便に減り全体の輸送人員は減少。土肥港側の可動橋も大規模修繕が必要な時期に来ているという。

「伊豆へのサービス必要」 フェリー存廃巡り静岡市長
 静岡市の難波喬司市長は23日の定例記者会見で、県による駿河湾フェリーの存廃判断を巡り、「何らかの形での伊豆へのサービス継続は必要」との認識を示した。市は県が設置した検証委員会にオブザーバーとして参加し、意見も伝える。
 県の試算を基に、市が独自に計算した2025年度の経済波及効果は2億5千万円で、このうち直接的な所得誘発効果は5千万円だった。難波市長は25年度に市が拠出した補助金3千万円に対して、「費用対効果はあり、事業としては認められる」と説明した。
 赤字継続や船舶の老朽化を踏まえて「今のフェリーのままでいいのか、検討は必要」としつつ、「サービスが数年間、途切れることがあってはならない」と指摘した。
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