不妊治療「自然周期」が低リスク 浜松医科大の宗特任講師ら研究グループが発表 「ホルモン補充…

2026/05/26 11:30 

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 浜松医科大生殖周産期医学講座の宗修平特任講師らの研究グループが、不妊治療(凍結胚移植)について、現在実施されることが多い手法の「ホルモン補充周期」の方が、体に自然なリズムに近い「自然周期」と比べて流産や妊娠合併症のリスクが高いことを統計的に確かめた。研究成果は米生殖医学会の学会誌「ファーティリティー アンド ステリリティー」に発表された。
 研究グループは静岡市駿河区の不妊治療施設「俵IVFクリニック」で行われた凍結胚移植1万1873回分を対象に、統計学的な解析を実施。ホルモン補充周期は自然周期と比べ、流産率が有意に高かった。1人の赤ちゃんを妊娠する「単胎妊娠」で比べた場合、ホルモン補充周期は自然周期よりも「妊娠高血圧症候群」で約1・5倍、胎盤が子宮に強く付着して出産時の大量出血の原因となる「癒着胎盤」で約5倍、帝王切開で約1・3倍などと有意にリスクが高かった。また、同クリニックでは研究期間中に治療方針を自然周期主体へ移行しており、自然周期の割合が増加するに伴って、これらの合併症リスクは有意に低下していた。
 宗特任講師は「妊娠後の合併症を減らす可能性のある方法として自然周期が重要と考えられる」と指摘。一方で「排卵障害などでホルモン補充周期が必要な患者も存在し、患者ごとに適切な治療法を選択していくことも大切」とも強調した。ホルモン補充周期がなぜ、合併症リスクが高くなるのかというメカニズムの解明や、安全性を高める治療戦略の開発の必要性にも言及した。
 <メモ>日本産科婦人科学会によると、2023年の国内における生殖補助医療の総治療周期数(回数の合計)は約56万周期、出生児数は約8.5万人に達していて、全出生児数の8.5人に1人は体外受精で誕生しているという。不妊治療(凍結胚移植)においては、自然な排卵に合わせて胚移植を行う「自然周期」は、ホルモン剤を使って子宮内膜を整え、胚移植を行う「ホルモン補充周期」に比べて医療側・患者側のスケジュール管理が難しいという課題がある。同年はホルモン補充周期が約6割、自然周期は約3割の割合で行われていた。
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