【台風15号】「牧之原への自衛隊派遣見送り」静岡県が説明を撤回 「自衛隊が判断⇒調整の上で…

2025/10/04 09:38 

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 台風15号に伴う竜巻被害を受けた牧之原市への自衛隊派遣が行われなかったことについて、酒井浩行県危機管理監は3日、静岡県庁で記者団の取材に応じ、「派遣の見送りは自衛隊が判断した結果」と説明した9月30日の発表を撤回した。「判断に至る過程で県も意見を述べていた」とし、自衛隊と意見が一致した上で、県が派遣要請を見送ったことを明らかにした。
 県はこれまで、自衛隊が「災害派遣の3要件に合致せず出動はできない」と回答してきた、と説明していた。酒井危機管理監は「改めて内部で確認したところ、自衛隊との調整の中で県から自衛隊に対して『今回の事案は非代替性に欠ける』と述べていたことが判明した」と説明。「組織の中で意思の疎通ができていなかった」と陳謝した。
 牧之原市からは当時、災害廃棄物の除去と入浴や食事提供の支援について、災害派遣要請が可能か県に打診があった。県は竜巻が襲った翌日の9月6〜8日に2度にわたり、陸上自衛隊板妻駐屯地(御殿場市)の陸自第34普通科連隊の担当者と電話で事前調整を行った。酒井危機管理監は「(自衛隊以外で)代替は可能という意見交換をしたことは事実」と述べた。
 「代替が可能」と判断した根拠としては、ヘリコプターの画像などで判断したことを明らかにし、「情報があれば確認はできる。必ず現地を見なければならないということではない」と主張した。
 牧之原市の杉本基久雄市長は10月3日の会見で、県と自衛隊に対し「自衛隊派遣を要請する前に現地に来てもらい、要請すべきかどうかのアドバイスがほしい」と柔軟な対応を求めた。
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