「精神的にも心強い」牧之原などで災害ボランティアの活動本格化 突風被害から3日…早くも人手…

2025/09/08 09:49 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 台風15号による竜巻被害に見舞われた牧之原市などで7日、災害復旧ボランティアの活動が本格化した。炎天下の作業を強いられる中、被災者からは「片付けが進むだけでなく精神的にも心強い」との声が上がる。一方、応援を得られない世帯も多く、発災から3日目を迎え、早くも人手不足の課題に直面している。
 「2階の部屋の家具は運び出しが終わりましたが、この写真は大切なものですよね?」―。甚大な竜巻被害を受けた牧之原市細江の小林真和さん(24)の実家では、朝からNPO法人御前崎災害支援ネットワークのメンバー16人が片付けを手伝った。強風が吹き込み荒れた室内から椅子や棚を外に運び出していたところ、机の引き出しの中から複数の写真が見つかった。「被災者にとって宝物や思い出の物がある」。メンバーは被災者に寄り添うことを大事に丁寧に作業を進めた。
 当初、両親と3人で片付けていた小林さんは「自分たちだけでは何日間かけても無理だと諦めかけていた。本当にありがたい」と表情を緩めた。
 同市を拠点に活動する中学生のサッカークラブ「榛南FC」の選手たちの姿もあった。この日は練習予定だったが、少しでも地元の力になりたいと3年生約20人が高齢者世帯を回り、散乱した屋根瓦や木材を拾って集積場所に運搬した。主将の林真希斗さん(14)=吉田中3年=は「今まで見たことのない悲惨な光景で驚いた。被災者の立場を考えるとつらい」と黙々と汗を流した。
 迅速な生活再建にはあらゆる支援やボランティアが欠かせないが、大きく不足しているのが現状だ。被災者の多くは作業人員確保のため親戚や友人に応援を依頼するが、親族の実家の片付けに埼玉県川越市から訪れた岡部友和さん(47)は「平日は仕事があるので、すぐに帰らなければいけない」と肩を落とす。ある高齢女性は「年寄りだと重い家具を動かしたり、がれきを拾ったりできない」と疲労感をにじませ早急な人員派遣を求めた。
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報