ABCテレビ、「ショードラアワード2025」大賞受賞作の世界を深夜ドラマ化 『制作部の水島…

2025/09/08 16:48 

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14日放送『ショードラ presents 制作部の水島さん』(C)ABCテレビ

 ABCテレビで14日、『ショードラ presents 制作部の水島さん』(深0:25~0:55 ※関西ローカル)が放送される。「マイナビショードラアワード2025」大賞受賞作の縦型ショートドラマ『待ってください』の世界を深夜ドラマ化した。

【場面カット】険しい顔…映像制作会社社長を演じる肥後克広

 同作は、今年4月、「マイナビショードラアワード2025」で大賞を受賞し、朝日放送テレビでのドラマ制作権を贈呈された「星の四谷三丁目シアター」の演出&キャスト陣らにより制作された。

 大賞受賞作となった縦型ショートドラマ『待ってください』で描かれてきた世界が30分の単発深夜ドラマとなって地上波初登場する。脚本・演出を務めるのは、一連の縦型ショートドラマを手がけてきた映画監督・谷口恒平氏。ドラマ制作現場のリアルな現実とそこで奮闘するスタッフたちの姿が描かれる、異色のお仕事コメディとなっている。

 主演は、『待ってください』でメインキャストを務めた俳優の水島麻理奈。過酷なドラマ制作現場で奮闘する主人公“制作部の水島さん”を熱演する。さらに、劇中の縦型ドラマの主人公・龍ヶ崎ミツル役をゆうたろう、そば処「越路」の大将・松崎役を飯田基祐、映像制作会社「星四映像」の社長・黒田役を肥後克広(ダチョウ倶楽部)が演じる。

【コメント】
■谷口恒平(脚本・演出)
ドラマや映画の撮影現場における「制作部」とは、一体どんな仕事なのか、正確に答えられる人は映像業界の中でも少ないのではないでしょうか。撮影場所とのやりとり、お弁当や車両の手配、通行人への声かけなど、業務は多岐に渡り、その多くは、華やかなイメージとはかけ離れた地味なもの。「画面の外にあるもの全てを担当する仕事」という言葉で説明されることも多いです。
私が映像業界に入った十数年前、あるベテランスタッフが「制作部は現場のお母ちゃんだよ」と説明してくれました。その旧来的なジェンダー観に思うところはあるものの、その人が言いたかったことは分かります。監督、カメラマン、照明、録音、美術、衣装、メイクなど、現場にいるスタッフのほとんどが、強いこだわりを持つアーティストであり職人で、皆がエネルギーの全てを自身の仕事のみに注いでいます。その姿は良く言えばプロフェッショナルたちのコラボレーション。悪く言えば「泥だらけになるまで遊ばないと気が済まない子どもの集団」です。そんな子どもたちに思う存分遊んでもらうため、安全な遊び場を用意し、お弁当を持って行き、ケンカが起きたら仲裁するのが「お母ちゃん」の役目なのでしょう。
そういった意味でも、「制作部の仕事」とされるものに明確な区分はありません。現場では、子どもたちが「自分の仕事じゃない」と放り投げた名も無き仕事が山積します。それらを回収し、一つ一つ解決していくのが制作部なのです。根回し、交渉、決断、謝罪の連続。「クリエイターの葛藤」みたいなドラマティックな要素が入り込む隙間も無く、ただただ「実務」をこなしていく日々。そんな無数の手続きの上に映像作品は成り立っているのです。かつての巨匠監督が、撮影の邪魔だから、民家の2階を取り壊させたという逸話がありますが、その民家のチャイムを鳴らし、交渉し、業者に発注した担当者がいたことを忘れてはいけません。
かつて、ある俳優がテレビ番組で、現場で働くスタッフたちに対して「なぜ、その仕事を選んだんだろう」と素朴な疑問を投げかけ物議をかもしました。しかし、その問いに胸を張って答えられるスタッフが、いや、労働者が、この国にどれだけいるでしょうか。私を含めた多くの人々が、成り行きで今の役職に就き、大きなビジョンや意義を考える暇もないまま、目の前の仕事に追われる日々を過ごしているのではないでしょうか。
本作の主人公である制作部の水島さんも、そんな労働者の一人。彼女は仕事相手から、なぜ制作部の仕事を選んだのかを問われ、うまく答えることができません。彼女がその答えを見つけられるのかどうかの30分をぜひ、皆さんとともに見届けたいと思います。そして、日曜の深夜に放送されるこのドラマが、見てくださった方の明日への活力になれば、これ以上うれしいことはありません。おもしろさは保証しますので、ぜひ、ご覧いただければと思います。

■水島麻理奈
まさか自分の名前がドラマの表題になるなんて、撮影が終わった今でもまだ実感が湧きません!ですが、本当に楽しく撮影させていただきました。
ショードラアワードで大賞と出演者賞をいただけただけでもありがたいのに、ドラマ化まで!ご褒美続きで幸せです!
普段なかなか目にすることのない撮影現場の雰囲気をのぞいているような気持ちで楽しんでいただければうれしいですし、同じ映像業界で働く方に少しでも共感していただけたら幸いです。
そして、ゆうたろうさんと出演者賞を受賞した俳優さん以外は、キャストが全員太田プロダクション所属の俳優陣という点も見どころです。
あとは、いろんな大人が頭をフル回転させながら撮影した最後の長回しにも注目していただけるとうれしいです。
ぜひ、一緒に現場を駆け回ってる気分でドラマを楽しんでください!
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