掛川を「アーチェリーの聖地」に 小中高大の全国大会を開催 競技人口拡大へ小学生対象に体験会

2025/08/24 09:04 

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 大学、高校、小中学生などのアーチェリー全国大会が開かれている掛川市の「つま恋リゾート彩の郷」をアーチェリーの聖地としてPRしようと、静岡県、市の両アーチェリー協会などが認知度向上のプロジェクトを進めている。聖地を名乗るには地元の競技人口が少ないことが課題で、すそ野拡大に向けた活動の第1弾として23日、市内の小学生対象の体験会を開催した。
 「弦は3本の指で引っかけるように引きます」「肘の高さを意識してね」
 児童を約10人ずつ5回に分けて開かれた体験会では、浜松北高、浜松商高などのアーチェリー部員が優しく指導した。最初はリング状のゴムを引いてフォームの基本を教え、次に初心者用の弓と矢を使って5メートル先の的を狙わせた。うまく的に当たると児童は「やった」と歓声を上げて喜んだ。
 アーチェリーが盛んな浜松市の高校には部活動があるが、掛川市内の高校にはなく、子どもが体験できる機会も少ない。同市アーチェリー協会の村瀬行紀会長は「協会の会員も20人弱。トップレベルの選手が来ているのに、市内での競技の認知度は低い」と話す。
 このような状況から県、市の両協会や市、市スポーツ協会などは昨年10月、アーチェリー認知度向上委員会を発足。「アーチェリーの聖地」としてPRしていくため、地元の競技人口拡大に取り組む方針を決めた。市は2026年夏までに平日・休日とも中学校部活動を廃止して地域クラブに移行する予定のため、アーチェリーの地域クラブ創設も将来的な視野に入れる。
 県アーチェリー協会の小笠原康二理事は「まずは楽しさを体験し、高校の部活動などでの選択肢に入れてもらいたい。将来、日本代表などの選手を輩出できれば」と期待を膨らませる。
 
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