「土鈴館」森町の小国神社できょう開館 国内最大級 民俗学者の故・鈴木正彦氏が収集した900…

2025/08/24 09:32 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 森町の小国神社は24日、民俗学者の鈴木正彦氏(1922〜2020年)が全国各地から収集した土鈴(どれい)約900点を並べた「鈴木正彦記念土鈴館」を境内で開館する。同神社によると、国内の土鈴展示施設としては最大級。個性豊かな造形や美しい絵付けなど、職人の技術が光る日本の伝統文化を紹介する。
 土鈴は、粘土を型に入れて成形し、中に玉や土塊(つちくれ)を入れて焼き上げた鈴。振ると澄んだ音色を響かせる。魔よけとして寺院や神社で授与されるほか、古くから祭祀(さいし)の道具として用いられてきた。「土鈴博士」とも呼ばれた鈴木氏は、同神社と縁のある画家らの協力で、コレクションした1万5千点以上のうち、約1万3300点を2017年に同神社へ奉納した。
 木造平屋の建物は約42平方メートルで、縁起が良いとされる八角形で設計した。館内の中央には猫などの大型の土鈴と同神社の干支(えと)土鈴を配置。周囲に、民俗行事や神話、伝説をモチーフにしたものや、昭和の菓子や花札をデザインしたレトロな作品など、多種多様な約900点を展示した。年に1、2回は展示を入れ替える予定。
 23日には、同神社で奉告祭や式典を行い、関係者約30人が展示室を見学した。鈴木氏の息子で東北大名誉教授の鈴木岩弓さん(宗教民俗学)は「森の中の神社の一角に置かせてもらえるのは、父にとっても幸せなことだと思う」と話した。
 入館無料。開館時間は午前9時〜午後4時。
 
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報