感謝祭に駆けつける女子大生も…「浜松オートレース」新規客獲得への作戦 「ファンとの距離」テ…

2025/08/19 11:11 

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 浜松オートレース(浜松市中央区)が、コロナ禍以降の入場者数の回復が伸び悩む中、ファンの裾野拡大と収益改善への戦略を打ち出している。予想番組をユーチューブで流したり出走の様子をインスタグラムに載せたりとSNSを活用。選手自身も発信し、ファンとの距離を縮める。場内でグルメイベントも開き、レースになじみのない家族連れや若い世代に浸透を図る。娯楽が多様化する中、運営側は「固定ファンだけでなく、新規客にも足を運んでもらう仕掛けを打ち、レース場の持続可能性を高めたい」と工夫を凝らす。
 7月下旬、年に1度のファン感謝祭が浜松オートレース場で開かれた。お気に入りの選手と交流しようと、酷暑にもかかわらず県内外から約1300人が訪れた。佐藤貴也選手(40)=掛川市出身=のもとにも長蛇の列ができた。静岡市から佐藤選手のサインをもらいに駆けつけた大学1年の坂口愛心さん(19)は「父親の影響でオートレースを見始めた。選手が個性的でいい。SNSはめっちゃチェックしている」と笑顔だった。
 佐藤選手は、選手は競技中はレースの公正を保つため、通信手段を断たれると明かした上で「ファンとの交流では積極的にSNS発信をする。きょうも会場のどこに自分がいるのか投稿し、ファンがすぐ自分に会えるようにした」と話す。
 浜松オートのユーチューブチャンネルも予想番組や優勝戦に出走する選手のインタビューなど人気のある配信は1万回近い視聴がある。昨年始めたインスタグラムも疾走感のあるレース写真などを投稿し、2千人以上にフォロワーを伸ばした。同レース場ではグルメイベントも積極的に展開。今年3月のギョーザフェスは市内を中心に複数の店舗が出店し、数千人が集まった。
 アピール戦略の背景には、コロナ禍以降、レース場に直接訪れる人の数がコロナ前まで戻りきらないという悩みがある。池野聡明・市公営競技室長は、ネット販売の状況から40〜60代に比べて20代のファンがまだ少ないとの課題も指摘。「レース場に来てもらい、臨場感や一体感に浸ってもらいたい。長くファンでいてもらえる体制の構築が必要だ」と強調する。
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