世界遺産登録時の賑わい、どこへ… 静岡の韮山反射炉、10年で来場者が10分の1近くに

2025/07/14 18:30 

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 伊豆の国市の世界遺産韮山反射炉は、8日で登録10年を迎えた。登録以降、来場者数には陰りが見え、現状はピーク時に対して約1割強と落ち込む。市や関係団体は、国内外の観光客を呼び込んだり、教育分野での普及を実施しようとしたりするなど、文化財としての価値発信と集客増の両立への模索が続く。
 「10周年の節目を逃さず、関係団体と協力して魅力を発信したい」―。6月、市内で開かれた、反射炉の保全について検討する「韮山地区管理保全協議会」。会長の山下正行市長は来場者増への対応に意欲を示した。
 市によると、登録された2015年度の入場者数は72万人を突破したが、集客が大きく落ち込んだ新型コロナウイルス禍後も回復が弱く、24年度は9万7千人ほど。市は登録以降、反射炉にちなんだグッズ配布やキーホルダーを製作する鋳物体験教室などの施策やイベントを展開しているが、抜本的な改善には至っていない。
 市は10周年記念として、10月に反射炉に関するシンポジウムを開く予定。
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