静岡市、上下水道料金大幅値上げへ 2039年度まで段階的に 災害に備え耐震化急ぐ

2025/07/19 08:54 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 静岡市の難波喬司市長は18日の定例記者会見で、水道料金と下水道使用料を来年6月に改定する方針を示した。上下水道管・施設の耐震化を進めるため大幅な値上げが必要とした。2039年度までに段階的な改定を想定する。
 本年度から39年度までの15年間を耐震化の投資集中期間とする。重要設備を優先的に耐震化する場合、事業費は約1510億円。老朽化対策や維持管理の費用を加味する一方、国庫補助金などを活用すると、試算では約1040億円(水道事業約600億円、下水道事業約440億円)の事業費が不足するという。1度の値上げで賄うと、水道料金は1・5倍、下水道使用料は1・4倍になる想定。
 改定額が大きい点や世代間の負担の公平性を考慮し、段階的に改定する。改定の時期や率、料金設定などは本年度の上下水道事業経営協議会で議論する。市議会2月定例会への条例案提出を目指す。
 昨年1月の能登半島地震では、水道施設が甚大な被害を受けたことを踏まえ、給排水ルートの耐震化の重要性が見直された。市はこれまでの「面的整備」の方針を、取水施設から避難所、下水処理場までのルートを一本の線として耐震化する「線的整備」に切り替えた。現在、取水から排水まで耐震化を済ませたルートは1本もないという。
 難波市長は「災害に備えて耐震化を急ぎたい。(現状のままだと)災害関連死につながる恐れがある」と述べ、市民に理解を求めた。
静岡新聞

静岡ニュース

静岡ニュース一覧>

注目の情報