【10日静岡県側山開き】富士登山の変更点は? 入山料や事前手続き解説

2025/07/09 09:11 

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 今年も富士登山の季節がやって来た。山梨県側の吉田ルートが1日に山頂まで通行可能になったのに続き、10日には静岡県側の富士宮、御殿場、須走の3ルートも山開きを迎える。今年は両県で1回4000円の入山料の徴収が始まり、夜間入山時の山小屋予約が必須となるなど、大きな転換点となる年。入山手続きなど登り方の注意点をまとめてみた。
 本県側の入山料4千円は、5月に施行された県富士登山条例などに基づいて徴収される。昨年までは1回千円で任意の保全協力金という位置づけだったが、今年からは支払いが「義務」になったので注意が必要だ。障害のある人と介護者、学校の教育活動で入山する児童、生徒らは事前申請して承認されれば免除となる。
 本県側の入山料徴収期間は7月10日から9月10日まで。対象となるのは富士宮、須走口の5合目と御殿場口の新5合目に設けた規制の「基準点」より先に立ち入る登山者。山頂を目指さず、富士山中腹の宝永山を訪れる場合もこの基準点を越えることになるため、支払う必要があるという。
 御来光を拝むために深夜に登山を開始する弾丸登山の対策として、午後2時から翌日の午前3時までの間に入山する場合は、山小屋への宿泊予約が必須になった。入山を認める人数は、山梨県側は1日4千人の上限があるが、本県側は設定していない。
 入山の登録や入山料の支払いなど必要な手続きは、事前に済ませておいた方がスムーズ。スマートフォンを持っている場合は県の公式アプリ「静岡県FUJI NAVI[フジナビ]」をインストールした上で、案内に従ってクレジットカードなどで入山料を支払う。さらにオンライン事前学習のテキストを読み、「富士登山安全ガイド」の動画視聴を終えてテストに合格すれば、入山証として使用できるQRコードが発行される。このアプリは登山中の位置情報表示や天候の情報入手にも活用できる。
 登山時は各ルートの基準点付近にある手続き小屋でQRコードを提示して認証を受け、入山許可証代わりのリストバンドをもらう。山小屋泊を伴う場合は、予約を証明できる書類・データを見せる。当日現地で入山手続きすることも可能だが、学習小屋でビデオ講習を受ける必要があるため、認証まで時間がかかる。
 県は小屋の設置や現地スタッフの研修など開山に向けた準備を進めている。富士山世界遺産課の担当者は「登山者が条例の趣旨を理解した上で登山を開始してもらえる体制を整えたい」と話している。
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