首都圏で高まるマンション需要、静岡県内にも 路線価17年ぶり上昇、“割安”で注目 東部の新…

2025/07/02 08:40 

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 首都圏で高まるマンション需要の波が、静岡県内の不動産市場にも及んでいる。新型コロナウイルス禍に広まったリモートワークも追い風に県外からの購入希望者が増加し、県東部など好立地の新幹線駅周辺で物件の引き合いが強い。資材費の高騰や建設現場の人手不足を背景に東京23区でマンションの平均新築価格が1億円を超える中、関東圏と比較した県内の“割安感”にも注目が集まる。
 JR三島駅南口から徒歩15分、御殿場線や伊豆箱根鉄道の駅にも近いマンション「ウィステリア長泉サウス」(長泉町)は、11月末の引き渡しを前に全住戸の約8割が成約済みという。販売元のフジ都市開発(静岡市)によると、購入者の2割が首都圏からの移住。専有面積72〜80平方メートルで価格は4千万〜5千万円台に設定し、担当者は「1年前なら割高と思われた価格が今は普通。今後の上昇を見据えて購入を検討する方も多い」と語る。
 新幹線で三島―東京の所要時間は最短約40分。通勤者も多く、リモートワークの定着で移住のハードルも一段と下がった。三島駅北口から徒歩圏内のマンションを2月に引き渡したヨシコンの吉田尚洋社長は「問い合わせの3割が関東。億ションが当たり前の東京よりも割安で、新幹線通勤にも便利」と説明する。同社は今後、静岡駅に近い静岡市葵区の2カ所でもマンションの建築、販売に乗り出す予定だ。
 1日公表の県内路線価は対前年比で上昇した7地点のうち4地点を東部が占め、静岡や浜松でも駅前の利便性が高いエリアで前年を大きく上回った。不動産関係者は「特に三島などは割と夜遅くに東京を出ても帰ってこられる」とし、県内新幹線駅周辺の立地優位性を強調。各地で計画される駅前再開発事業が移住ニーズを取り込む可能性にも触れ、今後も「首都圏と比較した割安感で県内のマンションが選ばれる流れは当然あり得る」と述べた。
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