「就職氷河期世代」静岡県内に47万人 不本意非正規は1万6700人 県「国の具体策次第で施…

2025/07/01 11:00 

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 政府が2026年度から3カ年の実施に向け、就労改善やひきこもり対策などの基本的な枠組みを決定した就職氷河期世代支援。不安定な就労に苦しんできた氷河期世代は40代から50代前半となり、現役世代に占める割合も高まって対応は急務となっている。本県の氷河期世代は23年推計で47万3千人とされ、支援対象も一定数いるとみられる。県は「国の具体策が示され次第、施策を検討する」としている。
 県によると、本県の氷河期世代のうち支援対象となる「正社員を希望するのにその機会のない人(不本意非正規雇用労働者)」と「長期にわたり無業の人」は、17年推計で約1万6700人、約9千人だった。直近の実態は把握できていないが、国は24年時点で不本意非正規雇用労働者は全国に35万人、無業者は44万人に上るとし、県内で支援が必要な人は「今も少なからずいる」とみる。
 政府は24年度までの5カ年で今回の前段となる支援プログラムを展開し、全国で正規雇用11万人、役員20万人の処遇改善につなげた。26年度からは、プログラム初期から5年が経過したことを踏まえ、新たに老後を見据えた家計改善・資産形成支援を盛り込んだ。公務員や教員の中途採用なども行う。
 県は24年度までの支援で就労相談窓口「しずおかジョブステーション」に相談員を増やすなどし、800人超の就労を支えた。26年度以降は「引き続き相談支援を実施していくとともに、国の動向を注視する」とする。
 氷河期世代は現在は正規雇用で支援対象でなくても、非正規期間が長かった人は将来受け取る年金水準が低い懸念がある。このため対策の本丸の一つを年金改革とする指摘もある。
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