静岡県内路線価が17年ぶり上昇 前年比0・2%増 コロナ収束で不動産市況活発

2025/07/01 11:02 

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 国税庁は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2025年分の路線価(1月1日時点)を公表した。静岡県内約9千地点の標準宅地の変動率は前年を0・2%上回り、計算方法が変更となった2010年以前も含めて17年ぶりに上昇。新型コロナウイルス禍の収束で不動産業者による土地の仕入れ競争が激化しているほか、高速道路沿線の物流拠点や工業用地の需要増加なども評価額を押し上げた。
 全国平均(約31万8千地点)は4年連続で上昇し、プラス2・7%。東京8・1%、神奈川4・4%、千葉4・3%と、関東圏を中心に前年水準を大きく上回る傾向が続いている。
 県内13の税務署別最高路線価で上昇したのは熱海、富士、浜松西などの7地点で、前年よりも1地点多い。最も上昇率が高い熱海市の平和通り(15・2%上昇)は観光客の増加を受けてホテルや店舗の需要が高まり、近年は2桁の伸び率が続く。浜松市中央区の浜松駅前通りは1平方メートル当たりの評価額が103万円(4・0%上昇)。静岡市清水区草薙もプラス5・0%と大幅に上昇した。
 前年に県内で唯一下落した島田市日之出町は横ばい。このほか、沼津市大手町、藤枝市前島、掛川市駅前など5地点も前年と変わらず、下落地点は5年ぶりにゼロとなった。
 県内最高路線価は公表開始から36年連続で静岡市葵区の紺屋町名店街呉服町通りで、1平方メートル当たり118万円(2・6%上昇)。不動産鑑定士の芝口直樹氏(54)によると、供給量の少ない都市部の住宅地に加え、高速道路周辺で関東圏よりも割安な倉庫用地などの需要が旺盛。「県内の地価動向はまだら模様だが、元気な地域が一部出てきたイメージ」と説明した。
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