動物も来園者も居心地のいい場所に 浜松市動物園再整備へ協定 アドバイザーに旭山動物園の危機…

2025/07/01 08:55 

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 浜松市、浜松いわた信用金庫、市花みどり振興財団、NPO法人市動物園協会は30日、市動物園(中央区)の魅力向上に向けた連携協定を締結した。北海道・旭山動物園を閉園の危機から再生させた同動物園元園長の小菅正夫さんをアドバイザーに招き、市民が誇りを感じ、動物と利用者の双方が居心地のいい動物園の整備を目指す。
 市動物園は1950年、浜松城公園内に県内初の動物園としてオープン。現在地移転の83年度に入場者約114万人を記録して以降は減少傾向が続き、2024年度は約31万人だった。現在は老朽化や園路の高低差、休憩所不足などの課題に加え、22年にアジアゾウのハマコが死亡し、開園時から展示する人気動物が不在となったため、市は前倒しで動物園再整備基本計画の見直しを進めている。
 協定は同信金の申し出により実現した。休憩用の全天候型施設やベンチ、高低差解消に向けたカートの整備などを計画するほか、企業に「動物園応援団」への参加を呼びかけたり、「応援基金」を新設して寄付金を募ったりする。動物福祉に配慮した獣舎整備、日差しを考慮した園路周辺の植栽なども実施し、4者の意見交換の場も設ける。
 市役所で同日、中野祐介市長や同信金の御室健一郎会長ら4者代表が小菅さんが見守る中、協定書を交わした。中野市長は「動物園を核として舘山寺地域や市全体を活性化していきたい」とあいさつし、御室会長は「地域住民が誇りを持ち、子どもたちの記憶に残る動物園をつくるお手伝いができれば」と語った。
 小菅さんは、旭山動物園長時代の最低年間入園者数が約26万人だったことに触れ、「浜松市動物園はギリギリのところ。知識と経験を生かし、多くの人に楽しみにしてもらえる動物園をつくるための提案をしていきたい」と述べた。
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