100億円不足の新静岡県立中央図書館 教育長「建設費も満額交付されるものと…」 県議会委で…

2025/07/01 08:31 

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 静岡県議会6月定例会は30日、JR東静岡駅南側の県有地に予定する新県立中央図書館整備事業で約100億円の財源不足が明らかになった問題を巡り、4常任委員会で質疑を行った。集中審査した文教警察委員会では、池上重弘教育長が国への確認や庁内の連携、県議会との調整が不足していたとして改めて陳謝した。「持てる力を整備に向けて生かすことで責任を全うしたい」と辞任は否定した。
 教育長は、国土交通省からほぼ満額の設計費の交付を受けていたため、建設費も満額交付されると確実視して予算計上の手続きを踏んだと説明し、確認の甘さを認めた。
 昨年11月の入札不調後の今年1月に財源不足の可能性が判明した後、県教委は県議会2月定例会で再入札の方針を示し、2月に企業向けの説明会を実施した。対応を急いだ理由について、事業スケジュールの遅れとともに「建築資材の高騰などで最終的な金額がどんどん上がっていくことへの危機感があった」と述べた。
 2024年度までに執行した事業費は12億6千万円。設計関連費9億円のうち3億8千万円は国費で、国交省と取り扱いを協議する。最大会派の自民改革会議の委員は「ゼロベースの見直しなら設計自体が無駄になる」「行政事務上の瑕疵(かし)をないがしろに進めることは大変問題だ」と苦言を呈した。
 総務委員会では、山田勝彦財務部長が「予算編成し議会に提案する財務部として重く受け止める」と陳謝。今回の事態を招いた遠因として16年度末の企画部の廃止を挙げ「以前は企画部で方向性、財源、体制を決めて各部局が建設行為に入っていたが、機能分散した」と述べた。今後は大規模施設整備に関する財源のチェックを徹底するとともに、東京事務所の予算獲得機能の強化を図るとした。
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