助けてください…!放送から20年、ドラマ「セカチュー」聖地に異変 松崎「アジサイの丘」の現…

2025/06/20 09:30 

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 2004年に放送され大ヒットしたドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」の舞台として知られる松崎町の「アジサイの丘」。かつては多くのファンが訪れた“聖地”で、異変が起きている。長年にわたるシカの食害により、アジサイの花が姿を消してしまったのだ。駆除や防護柵設置が難しい事情があり、管理を続けてきた町関係者は頭を抱える。
 アジサイの丘が位置するのは標高236メートルの牛原山山頂。美しく咲いたアジサイとともに松崎町中心部を一望する絶景が広がり、劇中で主人公とヒロインが初めてキスをした印象的な場所として知られる。放送当時は鉢植えのセットで演出されていたが、翌年に町がドラマの光景を再現しようとアジサイを植栽した。
 しかし、約10年前から異変が起き始めた。山間部に生息するシカが、人の気配が薄れたことで牛原山へ下りてくるようになり、アジサイはその餌食となった。町はこれまでに複数回、苗の植え替えを行ってきたが、すぐに食べられてしまい見頃を迎える6月にもかかわらず、枝だけの寂しい姿が残るのみとなった。
 シカ対策として、駆除やわな、防護柵の設置などを実施してきたが、いずれも決定打にはならず。「1頭でアジサイを食べ尽くすため、駆除では根本的な解決にならない。わなや忌避剤も一時的な効果しかなく、防護柵は景観を損ねるため設置が難しい」と町企画観光課の堤孝太主任主事は苦しい現状を打ち明ける。
 町にとって「世界の中心で、愛をさけぶ」は今も観光資源の一つ。再放送があるたびに訪れるファンも多く、価値は失われていない。堤主任主事は「アジサイがなくても、町を見下ろす絶景は健在。学校や神社など他のロケ地も当時のままなので、そこをアピールしていきたい」と話した。

 

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