国会閉幕、参院選突入へ 静岡県内自民議員「少数与党は限界」 野党も精彩欠く

2025/06/24 08:28 

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 31年ぶりとなる少数与党での通常国会が22日、閉会した。2025年度当初予算は野党の要求で衆参ともに修正された。後半国会の焦点となった政治改革や選択的夫婦別姓は、与野党の主張に隔たりがあって結論が出せなかった。静岡県内の自民党国会議員からは「少数与党は限界」との声が上がった。一方で、野党は衆院で多数を占めながら政権を追い込めなかった。与野党双方が課題を抱え、7月の参院選に突入する。
 「少数と認める」。会期末を翌日に控えた21日、参院議院運営委員会。牧野京夫委員長(静岡選挙区)がこう表明した瞬間、ガソリン税暫定税率廃止法案を巡り野党が求めた参院財務金融委員長解任決議案の本会議審査が否決され、事実上の閉会を迎えた。
 参院選に臨む牧野氏はこの日、県内での予定をすべてキャンセルし、異例となる土曜の審議に臨んだ。最後の最後まで野党に押された国会の運営を「順調にいかなかった。少数与党は限界がある」とこぼした。
 政府与党は前半国会最大の懸案だった25年度予算の審議を、日本維新の会と高校授業料無償化で合意することで賛成を取り付け、乗り切った。石破茂首相の商品券配布問題もあったが、その後のトランプ関税やコメ問題でかき消された。野党も「国難」を理由に、不信任案は提出しないとの観測が広まった。県内の自民関係者は「石破さんは運がいい」と本音を漏らした。
 対する野党側は、各党が与党との個別協議で政策実現を図る動きが目立ち、まとまって政権に対抗する機運は乏しかった。象徴的だったのは、足並みがそろわなかった企業・団体献金の規制や選択的夫婦別姓の在り方、年金改革法案など。
 最終盤では暫定税率の廃止法案に関連して自民の井林辰憲衆院財務金融委員長(静岡2区)を野党の賛成多数で解任し、数の力を見せつけたものの「パフォーマンス」(自民議員)とも批判された。注目を集めた内閣不信任案も、立民の野田佳彦代表が提出を見送った理由の一つが「(他の野党で)賛同する党があったのかどうか、よく分かりません」ということだった。
 牧野氏と共に参院静岡選挙区で改選を迎える国民民主党の榛葉賀津也幹事長は20日の記者会見で「今国会の与党はだましだましだった」と痛烈に批判した。だが、別の県内野党議員からは「野党も手探りだった」と反省の言葉が漏れた。
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