小栗旬さん主演映画「フロントライン」のモデル 浜松医大の高橋助教 コロナ集団感染の客船での…

2025/06/14 11:00 

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 2020年2月に新型コロナウイルスの集団感染が発生した大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」での医師らの奮闘を描いた映画「フロントライン」で、医師のモデルの一人となった日本DMAT隊員で浜松医科大救急災害医学講座助教の高橋善明さん(48)が13日、浜松市中央区の同大で取材に応じた。高橋さんは「災害時の適切な医療体制構築の必要性が映画を通じて伝わってほしい」と語った。
 高橋さんはコロナの集団感染が発生した船内で延べ6日間、防護服を着て客室を巡回し、診察やトリアージに当たる活動を行った。
 映画では俳優池松壮亮さんが、高橋さんをモデルに演じた。船内で治療に当たり、家族が差別を受けないかを懸念し、偏った報道に憤る場面があった。高橋さんも実際に家族に差別が向けられないかを心配したと言い、「身体的な負担があったが、誹謗(ひぼう)中傷が最もきつかった」と振り返った。
 誤った情報がSNSで拡散され、船内で懸命に活動する災害派遣医療チームに対する中傷があふれたが、「家族の支えや所属病院の支えがあったからこそ未知の感染症に立ち向かうことができた」という。
 ダイヤモンド・プリンセスでの活動以降も、能登半島地震の被災地や、院内での救急医療業務など多忙な日々を過ごす高橋さんは、「船内に困っている人がいた。困っている人を助けたいから医者になった」と言葉に力を込めた。
 映画「フロントライン」は13日、全国公開された。県内はTOHOシネマズ浜松、シネマサンシャイン沼津などで上映している。
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